青汁は、便秘の解消や、美肌の維持にも一定の効果がある、なんて言われていますが、特定の疾患に対して、症状を軽減させたり、緩和させたりする、などの効果もあるのでしょうか?
今回、こちらの記事で特集したいのは、青汁と「アトピー性皮膚炎」の関係についてです。
毎日、アトピー性皮膚炎に悩まされている人が、青汁を飲むことによって、辛い症状から少しでも解放されるようなことがあるのだとしたら…、それってすごいことですよね?
そもそもアトピー性皮膚炎とは、どのような疾患で、何故引き起こされるのか、その主な原因や、効能があるとされる成分などについて、まとめて詳しくお伝えしていくことにします。
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎(通称「アトピー」)は、痒みを伴う湿疹が、全身のいたるところに出来てしまう疾患です。
皮膚の水分量が少なくなり、カサカサし始めるところから始まり、「紅斑」と呼ばれる赤い腫れができたり、「丘疹」と呼ばれるぶつぶつした盛り上がりができたり、白い粉のようなものがこぼれ落ちたりします。
また、皮膚を掻きむしることで、表皮が剥がれ、じくじくとただれてしまったような状態になったり、掻きむしるのを繰り返すことにより、表面がゴワゴワになってしまう…といったような、副次的な症状も現れます。
アトピーは、左右対称に現れることが多いと言われています。乳児の場合は、主に頬や額に、もう少し大きい幼児になると、首や、ひじの内側、ひざの裏側、などに出るケースが多きなってきます。
ひどい場合は、胸や背中にまで広がっていきます。繰り返し掻いてしまうことで、症状は次第に重くなっていくので、手の届きやすいところほど、アトピーは悪化しやすいとも言われています。
アトピー性皮膚炎の原因は?
原因ははっきりとはわからない
患者数が年々増えているアトピーですが、実は、現代の医学をもってしても、根本的な原因は「はっきりとはわからない」と言われています。
食べ物が原因となっている場合もあり得ますし、生活環境や、ストレスなどなど、様々な要因が複雑に絡みあって、アトピーは引き起こされると考えられているのです。
注目されているのが「免疫力」
ただ、そんな中でも、アトピーの大きな原因の1つとして注目されているのが、人間の「免疫力」です。
免疫力とは、身体が自身にとって「有害である」と判断したものを攻撃し、退治しようとする働きのことです。
これが乱れると、攻撃しなくてもいいような物質に対してまで、過剰に反応してしまい、結果、自分の身体を痛めつけ、苦しめてしまう…というような、矛盾した状態が起きてしまうと言われているのです。
アトピー以外では、「花粉症」や「喘息」なども、これに近いことが原因で引き起こされると考えられています。どちらも、年々患者数が増えてきている、重大な「現代病」の1つです。
アトピー性皮膚炎を改善するには?
アトピーを改善するためにはまず、「肌」の状態を整えることが非常に重要です。
症状の1つである、肌の「乾燥」を、早い段階で撃退するためには、肌の内側に、できる限り水分をキープしてやるような働きかけが必要です。
そのほかに重要なのは、免疫力が高過ぎたり、低過ぎたりしていない、適度な状態に整えることです。
免疫力に大きな関係があると言われているのは、「腸内環境」です。
腸内に悪玉菌が増えてしまうと、免疫力が乱れがちになってしまうので、そうならないために、善玉菌を増やし、バランスを整えるよう、意識することが大切なのです。
青汁はアトピーの軽減に効果がある?
青汁は、アトピーの特効薬というわけではありません。
あくまでも、症状を軽減するために、効果が期待されるかもしれない…という程度の健康飲料ではあるのですが、青汁には、上の項目で記したように、肌の状態を整えたり、腸内環境を整える作用があるとされています。
たとえば、多くの青汁に含まれている代表的な成分「ビタミンC」は、肌の状態を整え、美肌をキープする働きがありますし、「食物繊維」などは、腸内に溜まっている便がスムーズに排泄されるのを促す作用があります。
そのほか、最近の青汁には、特別に肌の保湿力を上げる「ヒアルロン酸」や「セラミド」が配合されている場合があります。
また、腸内環境を整えることに特化させるため、「乳酸菌」や「オリゴ糖」などが配合されているものも、多く販売されています。
ケールの青汁は特にアトピーに効果的?
青汁に使われる代表的な野菜といえば「ケール」ですが、近年の研究で、このケールが、アトピー性皮膚炎の症状を軽減させるのに効果的であるということがわかってきているようです。
ケールの青汁を日常的に飲用している人は、そうでない人に比べ、「血中好酸球数」が少ないのだそうです。
血中好酸球数とは、「アレルギー反応」と関わりの深い、白血球の一種です。これが増えてしまうと、アトピーは悪化してしまうと言われているんですよ。
また、ケールの青汁を飲んでいる人は、頬の角層水分量が高いということも、研究の結果、明らかになっているとのことです。
角質水分量とは、肌がどれくらい潤っているかをわかりやすく数値化したものです。
まとめ
以上、こちらの記事では、アトピー性皮膚炎と青汁の関係についてお伝えしました。
アトピーって、掻いても掻いても痒みがおさまらず、掻きむしったせいで今度は、痛みでも苦しみ、さらには肌が醜くなってしまった…という見た目でも、精神的に苦しい思いをすることになるなど、本当に辛い病気なんですよね。
原因もよくわからなければ、特効薬もない、と言われている厄介な現代病ですが、青汁を飲むことで、少しは症状が軽減されそうだ…ということが研究の結果、明らかになってきているようなので、これにすがらない手はないでしょう!
青汁で、直接アトピーが「治る!」という、ハッキリした確証はないのかもしれませんが、実際に肌や腸内環境の改善には、一定の効果があると言われているものですし、積極的に生活に取り入れてみることをオススメします。
ただし、青汁に含まれている成分の一部には、特定の薬と相性の悪いものもあったりしますので、アトピーに関わらず、何らかの治療薬を医師から処方され、服用している人は、念のため、その青汁を飲んでも問題がないかどうか、必ず医師か薬剤師に相談をするようにしてくださいね!